【後編】ついに完成!地上躯体工事から建物完成までの工事の流れを解説!

前回は、建設工程の前半である着工前から地下躯体工事までの流れを説明いたしました。今回はその続きとなる地上躯体工事からの流れについて詳しく説明していきます!

前回の地下躯体工事まででは地上から見るとまだ何も見えない状態です。ここから完成するまでどのような工程を踏んで建物ができていくのでしょうか?最後までぜひご覧ください!

工事の流れ

地上躯体工事

前回の記事で最後に行った地下躯体工事では、地下に建物を支える鉄筋コンクリートの土台を建設した部分で終了しましたね。今回は、できた土台の上に躯体を作っていきます。

墨出し

構築した床の上にこれから造る柱や梁や壁などの位置を目安として書き込んでいく作業となっています。作業の内容を理解すると分かる通り、墨出しという作業自体は、さまざまな工程の前に行われるものです。

墨出しの手順としては、

①基点をつける

基点となる点を設計図から特定して印をつけていきます。

②基準線を引く

基点をもとに基準線を引いていきます。この時、柱や梁の芯や芯を外した逃げ芯と呼ばれる線を引いていく親墨出しという作業と、これをもとに柱の位置を描く子墨出しという作業があります。

外部足場の設置

地上躯体工事でも地下躯体工事と同様に作業するための足場を設置します。

配筋工事

地下躯体工事と同様に足場ができたら、躯体の骨組みとなる鉄筋などを組み立てていきます。

柱や壁の骨組みを組み立てると同時に電気設備の工事も入り始めます。というのも、多くの電気配線は壁や柱に埋め込まれていることが多いのです。

配筋工事が終わったら配筋検査というものがあります。躯体の配筋は建物の耐久にも大きな影響を与えることから厳しくチェックする必要があるのです。直すべき場所があったらすぐに直して次に進みます。

型枠工事

前回の地下躯体工事の際にも説明しましたが、型枠はコンクリートを流し込む場所となります。型枠も設置において不備がないかを確かめるために配筋検査同様に検査を行います。

コンクリート打設

型枠にコンクリートを流し込みます。これによって構造自体の強度を強くするのが目的です。コンクリートは流し込む際の気温や天候、作業時間によって品質が大きく左右されるため、流し込むだけと思われがちですが非常に繊細な作業となっています。

また、コンクリート打設後はコンクリートが固まるまで待つ養生期間というものがあります。この期間は最低5日とされているようです。

コンクリートは固まる際に水と反応して水和反応というものを起こします。コンクリートが完全に固まるためには、養生期間中、適切な量の水が存在し続ける必要があります。コンクリートが乾燥しすぎないように養生マットのようなもので水の蒸発を防いだり、適宜水を撒くという作業が必要となります。

解体工事

コンクリートが無事に固まったら型枠を解体します。

外装工事

地上躯体工事を行っている間に同時並行で行われるのが外装工事です。外装工事とは建物の外観を整えたり、建物が長持ちするように日光や風雨から建物を守る加工を施す作業となっております。

地上躯体工事と同時並行で行うという話をしましたが、イメージとしては、1階の躯体工事が完了したらすぐに外装工事が始まりその間に2階の躯体工事が行われるといったように躯体工事が終わった場所から外装工事が行われるようなイメージとなっております。

この工程では、流れというよりはどのような作業が行われるかについて紹介していきます。

塗装

塗装では始めに塗装する部分を丁寧に洗浄し、しっかりと乾燥させたのちに下地塗りに入ります。下地を塗る前にも塗装がしっかりとつきやすくなるように補修を行なったり壁を凹凸をなるべく減らす作業も必要です。

外壁の塗装では「下塗り」「中塗り」「上塗り」という3回の塗り工程を行うことによって綺麗に塗装を行なっています。下塗りは以降の塗装がつきやすくなるように薬剤を塗る作業となっており、中塗りと上塗りでは実際に塗装を行う塗料を使っています。

防水工事

建物の隙間から内側に雨や雪などが入らないようにするための工事となっています。基本的には建物の隙間や窓などに防水材を詰めるというのが主な作業となっています。

タイル工事

下地のコンクリートの上に、モルタルと呼ばれるセメントと水を混ぜたものを接着剤としてタイルを貼り付けていきます。

タイルにもさまざまな種類がある

出典 https://nakamuratile.co.jp/

内装工事・外構工事

ここまででほとんどの作業は終わりです。あとは内装と外装を整えていきます。

内装工事は防水工事が終わり、建物内に浸水の心配がなくなった時点で始めることができます。内容としては、ガラスやドアを嵌め込んだり、内装側の壁の塗装を行なったりといったものになります。

外構工事では建物の外側かつ敷地の中、つまり門や塀、植栽といった部分を工事していきます。

以上を持って工事は完了となります。

一戸建ての建築ではこのような工程をおよそ6ヶ月前後で行うと言われています。何もなかったところから何十年と安心して住むことができる建物が半年でできてしまうというのは驚きですね。。

まとめ

前回の記事とあわせまして、建物の工事の流れについて紹介しました。お店が潰れたと思ったらいつの間にか家が建っていたという経験がある方は多いのではないでしょうか。実はこのような途方に暮れるような工程を経て家が建っているのです。

工事現場を見かけたら、今〇〇の工事をしているのだなと考えて見てみるのも面白いと思います!

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