みなさんはChatGPT(チャットGPT)を使用して業務の効率化をされていますか。
メールなどの簡単な文書の作成や、アイデア出しに使われることの多いChatGPTですが、その他にも様々な業務効率化に活用することが可能です。
そんな業務の効率化をしたいタスクの一つに議事録などの作成があると思います。
会議中は会話やプレゼンに集中してしまい、なかなか会議に参加しながら議事録を作成するというのは難しいと思います。
そのため、会議は録音のみで、会議後に文字起こしをしているが、その文字起こしが面倒と考えている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
本記事では、ChatGPT(チャットGPT)とAIツールを組み合わせて、誤字脱字のない議事録を作成する方法を紹介します!
さらに9月25日のOpenAIによるアップデートにより、ChatGPT(チャットGPT)の有料プランに限り、音声入力が可能となりました。この新機能を用いた方法も紹介していきます。(OpenAIの公式ドキュメント)
目次
第1章 ChatGPT(チャットGPT)を議事録作成に利用する方法
そもそもChatGPT(チャットGPT)で文字起こしはできる?
文章の作成が得意なChatGPTではありますが、スマホアプリ版は音声入力が可能であるものの、基本的にはテキスト入力のみに対応しているため、音声ファイルをそのまま入力に使用することはできません。
そのため現時点では、アプリ版を利用するか、ChatGPTの有料プランに加入し、新機能の音声入力を用いる方法でなければ、会議の音声をそのまま文字起こしすることは出来ないです。
また、ChatGPTには文字数制限があり、30分の会議のような長時間の会議ではこの文字数を超過してしまうため、基本的にはChatGPTのみを用いて議事録を作成するというのはお勧めしません。(ChatGPTの文字数制限について詳しくはこちら)
ChatGPT(チャットGPT)を何に使う?
では、ChatGPTは議事録作成になぜ必要なの?議事録作成AIだけではダメ?と思われるかもしれません。
今回紹介する議事録作成に関するAIツールはかなり高性能ですが、やはり誤字脱字は生じてしまいます。
また、会議などで会話する際には『あー』とか『えー』などといった『フィラー』と呼ばれる会話独特の間が多く含まれます。
議事録作成ツールで文字起こしした文章はこれらフィラーもそのまま含まれるため非常に読みにくい文章となってしまうのです。
そこでChatGPTを用いて、文字起こし文章の校正を行おう!というわけです。
本記事では、
①議事録作成AI『tl;dv』を用いての文字起こし→ChatGPTに校正を依頼する方法
②Googleドキュメントを使用しての文字起こし→ChatGPTに校正を依頼する方法
をの二つの方法をご紹介したいと思います。
①はリモート会議で使用する場合、②は対面での会議に使用する場合におすすめの方法です。
第2章 『tl;dv』を用いて文字起こしを行う方法(リモート)
まずは、議事録作成AIである『tl;dv』を用いて文字起こしを行う方法を紹介します。
『tl;dv』とは?
『tl;dv』はリモート会議における議事録の作成に特化したツールで、文字起こし機能だけでなく、自動要約機能や、リール動画作成機能なども含んだ非常に使い勝手の良いAIツールです。
議事録作成ツールは高額なものが多いのですが、『tl;dv』は無料で利用することが可能である点も良いですね。
上記のように、ZoomやGoogle Meetの会議の内容を自動で文字起こしすると同時に、会議内容の要約を『トピック別』『時間別』『タグ別』の3つで出力してくれます。
『tl;dv』の導入方法
『tl;dv』をインストールし、zoomやGoogle meet上で利用できるようにする方法を解説します。
①『tl;dv』の公式サイトにアクセスする(リンクはこちら)
②右上の『Google meetで使う』もしくは『Zoomで使う』を選択
③Google meetであればGoogle Chromeの拡張機能を、Zoomであればアプリをインストールする
④Googleアカウントでサインインする
⑤言語と職業を入力する(自分はGoogle meetの使用時のみ要求されました)
⑥設定から『tl;dv』によるコンピューターの制御を許可する
上の画像が表示されたら、おそらく設定が完了していないので、
macであれば『システム設定』→『プライバシーとセキュリティ』→『アクセシビリティ』の順に選択して『tl;dv』を許可しましょう。
windowsの場合は『click here to see it again』をクリックして説明に従ってください。
⑦導入完了
ここまで完了すれば、『Google meet』もしくは『Zoom』に『tl;dv』の機能が追加されます。実際に録画を開始して使ってみましょう!
『tl;dv』の使い方と注意点
基本的にはZoomもしくはGoogle Meetを起動し、録画開始ボタンをクリックするだけで文字起こしが開始されます。
前述の通り『tl;dv』はかなり多様な議事録に関する機能を持っており、会議の概要や、録画共有に関しては単体で利用しても問題ないです。
ただし、全文文字起こしに関しては誤字脱字や、表記揺れ、フィラーなども多数含まれており、正確性という点では少し問題があります。
そこで実用的に使用できる全文文字起こし記録や、議事録に変換するためにChatGPTを利用する必要性が生じます。
『tl;dv』の全文文字起こし文をChatGPTを用いて議事録として完成させる方法は第4章で紹介しています!
また、『tl;dv』の機能や使い方に関して詳しく知りたい場合はこちらをご覧ください。
第3章 Googleドキュメントを用いて文字起こしする方法(対面)
次にGoogleドキュメントを用いた文字起こしを紹介します。
先ほど紹介した『tl;dv』は非常に便利なツールですが、リモートのみの対応で、対面では使用できません。そのため、対面の会議の文字起こしを行う場合はこちらの方法がおすすめです。
ただし、WindowsPCをご利用の方は、標準機能でGoogleドキュメントを使用しての文字起こしが可能ですが、Macユーザの方は標準機能のみでは、Googleドキュメントでの文字起こしは、リアルタイムに参加している会議のみで可能で、音声や動画ファイルから文字起こしをすることはできません。
そこで、Macユーザの方向けに、別ツールと組み合わせてGoogleドキュメントを使用して文字起こしをする方法を解説させていただきます。
今回は、無料の仮想オーディオドライバーである「BlackHole」を導入します。
「BlackHole」を利用することで、アプリケーションから別アプリケーションへ音声を渡すことができるので、音声や動画ファイルからの文字起こしが可能になります。
- BlackHoleの公式サイトにアクセスし、「I can’t afford to donate」をクリックします。
- メールアドレスと名前をクリックし、「Send Link to Download」をクリックします。
- 入力したメールアドレス宛に確認メールが送付されるので、メールに記載されたURLをクリックすると、下記のインストーラーのダウンロードページが表示されるので、インストーラーをダウンロードします。
特に要望がない場合は、「BlackHole 2ch」で良いです。
- インストーラーがダウンロードされたら、インストーラーをダブルクリックして、インストールを開始します。
- 「続ける」をクリックします。
- 使用許諾契約書が表示されるので、最後まで読み、問題なければ「続ける」をクリックします。
- 使用許諾契約に同意して良いかの確認ポップアップが表示されるので、「同意する」をクリックします。
- インストール先の確認画面が表示されます。特に指定がない場合は、「インストール」をクリックします。
- インストールが完了しました。
- 「設定」アプリを開き、サウンド設定にて、出力を「BlackHole」に変更します。
- 次に、標準アプリの「Audio MIDI設定」アプリを開きます。
- 「BlackHole」を右クリックして、このサウンド入力装置を使用をクリックします。
- 画面左下の「+」アイコンをクリックして、「複数出力装置を作成」を選択します。
- 標準で使用しているスピーカーと、「BlackHole」を選択します。
- Googleドキュメントを開きます。この時、Safariではなく、Chromeで開きます。
- 「ツール」より「音声入力」をクリックします。
- 任意の音声・動画ファイルを再生したのちに、画面左のマイクマークをクリックします。
- ここでは、サンプル音声ファイルを文字起こししてみました。
これで、Googleドキュメントを使用した文字起こしは完了です。
次章にて、ChatGPTで文字起こしをした文章の校正方法を解説します。
第4章 ChatGPT(チャットGPT)で文字起こし文を校正する方法
第2章および第3章で紹介した文字起こしツールを用いて文字起こしした文章を実用的な議事録に変換する方法を紹介します。
ChatGPTでの文章の校正方法は無料で利用できる方法と有料プランに入る必要がある方法の二つがあります。それぞれの特徴と、具体的な方法について説明します。
GPT3.5を用いる方法(無料)
ChatGPTのプロンプト入力欄に、校正を依頼するプロンプトと、文字起こしした文章を入力します。
すると、校正したテキストを出力してくれます。
校正を依頼する際のプロンプトには以下のような条件を入れることが望ましいです。
①フィラーを除去する
②誤字脱字を修正する
③特定の単語の変換を行う
①については前述の通り、『あー』とか『えー』のような不必要な文言を一括で除去するためのものです。
③については、例えばChatGPTに関する会話をした際にChatGPTという単語は一般的な名詞でないため、文字起こしが正確に行われず、チャットgbdのように、他の言葉として文字起こしされることが多いです。そこで『チャットgbdや、それに似た単語はChatGPTという単語に変換してください』というような指定が必要となります。
以下にプロンプトの一例を示します。
『文字起こしした文章を入力』
『』内の文章は{会議内容を入力}についての会議における全発言を文字起こししたものです。
こちらの文章を以下の#条件に基づいて、校正してください
#条件
・フィラーを全て除去する
・誤字脱字を全て修正する
・{変換前の単語を入力}や、それと類似した単語は{変換後の単語を入力}として変換する
上記のプロンプトはあくまで最低限の一例であり場合に合わせて条件を追加しましょう。
ただし、無料プランで利用できるChatGPT3.5を用いる場合は一つ大きな制約が存在します。
それは入力できる文章の長さに制約があることです。
日本語ではトークン数がバラバラなため場合によりますがおよそ3300時前後が限度となります。そのためそれ以上の長い文章を校正する場合は次の有料プランを用いた方法をご利用ください。
Advanced Data Analysisを用いる(有料)
無料プランの欠点は長い文章を一括で校正できない点にありました。
しかし、ChatGPTの有料プランでのみ利用可能なAdvanced Data Analysis機能を用いれば、この問題は解決できます。
Advanced Data Analysis機能では、ファイルのアップロードが可能かつ、ファイル内容をもとに新しいファイルを作成することが可能です。
すなわちGoogleドキュメントへの文字起こし文章をアップロードして、その全文を校正した新しいドキュメントを出力することが可能なのです!
具体的には以下のようなプロンプトを用いると良いでしょう。
アップロードしたファイルは{会議内容を入力}についての会議における全発言を文字起こししたものです。
こちらの文章を以下の#条件に基づいて、校正し、新しいファイルとして出力してください。
#条件
・フィラーを全て除去する
・誤字脱字を全て修正する
・{変換前の単語を入力}や、それと類似した単語は{変換後の単語を入力}として変換する
こちらのプロンプトをもとに校正したのち、要約を行わせることで会議の要旨を簡単にまとめることが可能です。
では実際に『tl;dv』を用いて文字起こししたこちらの文章をもとに、議事録を作成してみましょう。
上記のように、ファイルをアップロードした上で、プロンプトを入力します。
この際にAdvanced Data Analysisの機能を用いることを忘れないでください。
すると以下のような返答が返ってきます。
こうして全文文字起こしの修正が完了し、新しいファイルとして出力されました。
さらにこのファイルをもとに要約を指示します。
このように、一瞬で会議の要約を出力することができます。
この他にも以下のように活用できます。
・議事録のフォーマットをアップロードし、フォーマットを指定することで、指定通りの議事録を作成する
・人物ごとの意見をまとめる
・時間帯による話の移り変わりを図にする
・会議のまとめを図として出力させる
ぜひ皆さんも実際に、AIツールによる文字起こし→ChatGPTによる議事録作成を社内に導入してみてください!
第5章 まとめ
本記事では、ChatGPTと議事録作成ツールを使用した文字起こしと議事録作成の方法を解説しました。
議事録の作成にはかなりの時間を使っているビジネスマンの方もかなり多くいらっしゃると思います。
社内で今回ご紹介した方法を実践し、業務効率化してみてはいかがでしょうか?
また、『AITech』は社内への生成AIの導入による業務効率化も承っておりますので、さらに詳しい方法を知りたい方や、自社に最適化された導入方法を模索している方はぜひお問い合わせフォームよりご連絡ください。
本記事が読者の皆様の学びになれば幸いです。
執筆者:河津大誠
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