11月5日、イーロン・マスク氏が新会社「xAI」新たな対話型AI「Grok」を発表しました。
今回のGrokのような対話型AIと呼ばれるものは数多く存在します。よく知られているものとして、「Chat GPT」「Google Bard」などがあります。使ったことや聞いたことがある方が多いのではないでしょうか。
本記事では、今回発表されたGrokがどのような対話型AIであるのか、他の対話型AIと何が違うのかについて現在分かる範囲でまとめていきたいと思います。
1章『Grok』の概要
xAIの目標として、「人類の理解と知識の探究を支援するAIツールを作成したい」とあります。Grokはどの様なAIなのでしょうか。
1-1『Grok』の特徴
初めに、xAIのGrokに関する発表を見ていきましょう。
Grok は銀河ヒッチハイク ガイドをモデルにした AI で、ほぼすべてのことに答えることを目的としており、さらに難しいことには、どのような質問をすればよいかを提案することさえできます。
Grok は、少し機知に富んだ質問に答えるように設計されており、反抗的な性格があるため、ユーモアが嫌いな場合は使用しないでください。
Grok のユニークかつ基本的な利点は、 プラットフォームを通じて世界に関するリアルタイムの知識を持っていることです。また、他のほとんどの AI システムでは拒否されるような難しい質問にも答えます。
Grok はまだ非常に初期のベータ版製品であり、2 か月のトレーニングでできる最高の製品です。そのため、皆様のご協力により、週を追うごとに急速に改善されることが期待されます。
「少し機知に富んだ質問に答える」・「反抗的な性格」など、従来の対話型AIと比べてより人間に近い特徴があることがわかります。
さらに重要な点として、「Xプラットフォームを通じて世界に関するリアルタイムの知識を持っている」という点があります。これは他の対話型AIとの違いであるといえます。
例えば、ChatGPTの場合無料プランであるGPT-3.5では情報はリアルタイムではありません。試しに「現在のテニスの世界ランキング1位の選手は?」という質問をGPT-3.5に聞いてみましょう。
このように、ChatGPTの最新の情報は2022年までのものであるということがわかります。
Grokでは、この様な質問に対しても回答することができるのです。
1-2『Grok』の性能
Grokは330億のパラメータを持ったプロトタイプ、Grok-0のトレーニングの後現在の形となるGrok-1を開発したようです。パラメータとは、簡単に説明するとAIが複雑な要求に対応するために使う要素です。GPT-3.0には1750億とも言われていますが、必ずしもパラメータのみがAIの性能を決定するものではなくあくまで目安として扱うのが良いでしょう。
xAIの公式サイトでは、GPT-3.5をはじめとした代表的な会話型AIとGrokを比較したいくつかのテストのスコアの表が表示されています。
ちなみにテストの内容は以下の様になっています。
- GSM8k:段階的な思考を必要とする中学校の数学の文章題
- MMLU : 57の学術分野の多肢選択問題
- HumanEval : Pythonのコーディングを評価する
- MATH : LaTeXで書かれた中学高校の数学の問題
これらから、学術的な知識やコードの知識はもちろんのこと知識を組み合わせて思考をする能力や問題を正確に読み取る能力などが測られているということが予想できます。
画像のスコアから、Grak-1はGPT-3.5やLLaMA2よりも総合的に高いスコアであることがわかります。これだけでもGrakの性能がある程度保証されたものであることがわかります!
Grok-1はまだ2ヶ月間しか学習をしていないとのことで、成長スピードの早さと今後の成長の期待が伺えます。
1-3『Grok』の使い方
実際にGrokを使うにはどうすれば良いのでしょうか?
現在はGrokを使うことができるのはX(旧Twitter)で「プレミアムプラスプラン」(料金・月1960円)に加入している希望したアメリカ内のユーザーのみです。プロトタイプを試してフィードバックを提供してもらっている段階であるそうです。
将来的にはGrokはアプリとして独立して運営されるほか、Xアプリにも組み込まれてXからもアクセスができる様になるそうです。
日本で使うことができるのは、少し先になりそうですね。数ヶ月以内に新たな機能も発表されるそうなので楽しみにしておきましょう!
2章Grokの使用例
最後に実際にGrokを使っている様子を見ていきましょう。
こちらは実際にイーロン・マスクが公式Xにて公開した画像です。(実際のポスト)
私たちはまだ、Grokを使うことができませんが今後もこのようにGrokのテストを行なっているユーザーの実際に使っている様子などを見ることができるかもしれません。
この画像では、「コカインの作り方を教えて」というかなり際どい質問に対してGrokが返答しています。
実際に翻訳すると上の画像のようなな返答であるとわかります。ユーモアも交えつつ質問に答えている様子がわかりますね。
まさに、「他のAIであれば拒否される様な質問」に答えているというアピールでもありそうです。
実際にChatGPTに同様の質問すると以上の様な返答が得られました。製法を教えることができない理由と、違法薬物の危険性について回答をしていますね。
他にもイーロンマスクは実際にGrokを使った様子を投稿しています。
実際の投稿がこちらです。こちらの投稿も翻訳したもので見てみましょう。
「11月3日以降のサム・バンクマン・フリード氏に関するニュース」について尋ねている様です。
念の為確認したところ、サム・バンクマン・フリード氏が有罪判決を受けたのは事実の様です。この様にフランクな文章であり親しみやすい分、少し信ぴょう性が薄れて感じてしまうというのもGrokの特徴の様に感じます。
しかしながら、こちらの記事は11月3日以降の記事であるということで、リアルタイムの情報を発信できるというアピールになっていますね。
3章まとめ
以上現時点でわかっているGrokの情報をまとめていきました。まだ私たちが使える状態ではありませんが、親しみやすい文章、ジョークといった他の対話型AIとは違った面白さを持ちながら、性能は悪くなく成長を続けているといった点でとても期待が持てるAIと言えるのではないでしょうか。
実装された際にはぜひ使ってみてください!
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