皆さんは、AIで作られたイラストをご覧になったことがありますか?最近では、プロが描いたようなイラストをAIによって作成しSNSに投稿する人が増えています。このようなイラストはStable Diffusionを使って描かれているものも非常に多いです。AIを使えば誰でもプロ同然のイラストを作れる時代が来ていると言えます!
本記事では、そんなStable Diffusionを使う上で注意すべき商用利用について紹介していきたいと思います。
目次
1章『Stable Diffusion』の商用利用の可否
1-1『Stable Diffusion 』の利用規約
Stable Diffusionの商用利用の可否について、実際にStable Diffusionの利用規約(CreativeML Open RAIL-M)を見ながら確認していきましょう。まずは、こちらをご覧ください。
本契約に定める場合を除き、ライセンサーは、お客様がモデルを使用して生成した出力についていかなる権利も主張しません。お客様が生成した出力およびその後の使用については、お客様が責任を負うものとします。アウトプットのいかなる使用も、本使用許諾に記載されている条項に反することはできません。
こちらは利用規約の一部を翻訳したものになります。正確な表現は利用規約の原文をご参考ください。
こちらの文章から分かるようにユーザーがStable Diffusionを用いて出力したものは、ユーザーに権利があり商用利用できるということがわかります。
さらにこのような記述もあります。
あなたは、本モデルまたは本モデルの派生物を使用しないことに同意するものとします:
– 適用される国内法、連邦法、州法、地方法、または国際法もしくは規制に違反するいかなる方法においても;
– 未成年者を悪用し、危害を加え、または悪用もしくは危害を加えようとする目的で使用すること;
– 個人に危害を加えるために使用できる、個人を特定できる情報を生成または流布すること;
– 他者を中傷、誹謗、嫌がらせすること;
– 個人の法的権利に不利な影響を与える、または拘束力のある強制力のある義務を作成もしくは変更する、完全に自動化された意思決定のため;
– オンラインまたはオフラインの社会的行動、あるいは既知または予測される個人的または人格的特徴に基づいて、個人または集団を差別したり、害を与えたりすることを意図した、またはそのような効果をもたらす使用;
-年齢、社会的、身体的または精神的特徴に基づく特定の集団の脆弱性を悪用し、その集団に属する人物の行動を、その人物または他の人物に身体的または精神的危害を与える、または与える可能性のある方法で著しく歪めること;
– 法的に保護された特性またはカテゴリーに基づく個人または集団に対する差別を意図した、またはそのような効果をもたらす使用;– 医療アドバイスおよび医療結果の解釈を提供するため
– 個人が詐欺や犯罪を犯すことを予測するなど、司法、法執行、入国管理、亡命手続きのために使用する目的で情報を生成または広めること(例:テキストプロファイリング、文書に記載された主張間の因果関係を導き出すこと、無差別かつ恣意的に対象を絞った使用)
つまりは、人に危害を加える目的や法律で禁止されているような使い方はしてはいけないということです。
1-2『Stable Diffusion 』のモデル使用の注意点
さらに注意が必要なのが、「モデルによっては商用利用に制限がある場合がある」ということです。Stable Diffusionでは、誰かが作ったモデルを外部のサイトからダウンロードすることができます。そのため、モデルの使用制限はモデル毎に異なるのです。
これは、civitaiというモデルが公開されているサイトのページなのですが、赤枠で囲われた部分に利用の制限があります。上の画像のようなモデルでは商用利用はできないので注意が必要です!
civitaiでは主に以下の項目に対して使用の可否が記されている場合があります。
- Use the model without crediting the creator
モデルと製作者の明記なしにモデルを使用できるか(❌の場合明記が必要)
- Sell images they generate
生成した画像を画像を売ることができるか(❌の場合販売できない)
- Run on services that generate images for money
このモデルを使った有料画像サービスは運営できるか(❌の場合運営できない)
- Share merges using this model
このモデルと他のモデルを組み合わせて新たなモデル(マージモデル)を公開できるか(❌の場合公開できない)
- Sell this model or merges using this model
このモデルと他のモデルを組み合わせて新たなモデル(マージモデル)を販売できるか(❌の場合販売できない)
- Have different permissions when sharing merges
このモデルを使ったマージモデルを、このモデルと違った制限で公開できるか(❌の場合違った制限で公開できない)
このように、生成した画像が他の人の著作権を侵害していないか、法律や社会規範に違反していないかを常に意識し注意をしながら利用をしてください。
1-3『Stable Diffusion 』の使い道
Stable Diffusion は商用利用できることがわかりました。それでは、実際にどのような使い道でStable Diffusion は使われているのでしょうか。
- 広告や宣伝物に使用する
商品やサービスのプロモーションに活用することができます。例えば、広告の画像の生成、イベントやキャンペーン企画での活用、商品のパッケージやより視覚でわかりやすいプレゼン資料などでの活用が考えられます。
- 商品のデザインを画像にする
デザインの素材の作成や、アイデア出しに活用することができます。主にデザインに関わる企業は、例えば、クライアントから依頼されたデザインをプロンプトからでの生成が可能で、自然に近いものを提供できます。また新しい商品やサービスのデザインの検討や提案、Webサイトやアプリのデザインにも活用することが可能です。
- 研修や教育に使用する
例えば、美術やデザインの授業の教材がまず浮かぶかもしれませんが、どの教科でも視覚で伝えることでよりわかりやすい説明をするための工夫ができます。教師が使うだけではなく、生徒が創造性や問題解決能力を目的として活用することも可能です。
2章『Stable Diffusion』使用上の注意点
Stable Diffuionを利用する際には、さらに注意すべき点があります。
- 著作権の侵害
Stable diffusionに対しては著作権の侵害がありませんが、元の画像に関しては著作権の侵害が起こり得ます。クリエイターが作成した画像を生成する場合に他者の著作物に対して「類似性」や「依拠性」が認められれば、著作権の侵害となるため、著作者の許可が必要となります。
- img2imgでの画像生成の制限
img2imgの機能は、既存の画像から新しい画像を生成するものです。したがって画像生成する際に、元となる画像が著作権を持っていないか、商用利用を認めているかの確認が必要となります。その確認を怠り勝手に利用をしてしまうと法的に罰せられてしまいます。
3章まとめ
今回はStable Diffusionを利用する上で気になる商用利用の可否についてご紹介しました。商用利用自体は可能ですが、著作権や肖像権の侵害をしないために注意すべき場合があることがわかりました。
特にプロンプトに画像を用いる場合には、生成元の画像の権利についても自身でしっかりと調べる必要がありそうです。
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