皆さんが住んでいる家や学校、会社などの建物がどのようにして作られているかご存知でしょうか?工事現場自体は皆さんも目にする機会が多いかと思いますが、その詳しい工程自体を知っている人は少ないのではないでしょうか?
今回は、建物ができるまでの建設工事の工程を詳しく紹介していきます!これを見れば皆さんが工事現場を見る目も大きく変わることでしょう。
工事の流れ
事前準備
工事の着工が決まったら、始めに準備をしなければなりません。建物を建てるために必要な届出はもちろんのこと、近隣住民への説明などといった工事より前にやるべきことをやります。
さらに、実際に工事を行う現場に出向いて敷地の測量を行ったり地盤調査を行ったりします。この後紹介する杭工事という作業は1番初めの作業になるのですが、それを行う前に地盤の様子を確かめることは必要不可欠です。地盤の様子を確かめることで、どのように杭工事を行うのかを決めることもできます。
杭工事
杭工事は全ての作業の中で1番始めに行われる工事となります。地盤の中に杭を打ち込んで建物を土台で支える杭を作る作業となります。打ち込んだ杭は建物にかかる力を地盤に逃す役目を果たすのでまさに建物の基礎の部分となる大事な工事となっています。
杭工事には、杭伏図という図面が使われます。杭伏図は元請けの会社(主にゼネコン)が作成してそれを元に施工業者が工事をしていきます。重機の位置が変わるだけでも新しく描き直すほど細かく描かれています。
土(掘削工事)
掘削工事は、建物を建てるときに安定した地盤の上に建てられるように地盤を掘削して整える工事です。地盤はもちろん人工物ではないので平地でも段差や傾きがあるものです。しかしながら建物を建てる際に建物を支える地盤は段差や傾きはがない状態でなくてはなりません。
掘削工事を行うことによって地盤を整地して建物を建てたときに安定する地盤を作ります。また、排水対策を行うのも掘削工事の目的の一つです。土でできた地盤はやはり水に弱く排水ができないと地盤から崩れていってしまいます。そのため、雨水や地下水の通り道を確保することで、地盤の排水を強化することができます。
掘削工事の流れを紹介していきます。
1次掘削・2次掘削
土留めという土砂や土台が崩れるのを防ぐための構造物に沿って地面を掘り下げていきます。ある程度掘り下げたら、土留めを支えるような切梁というものを設置石て掘削した部分が崩れるのを防ぎます。
1次と2次で作業内容は基本的に変わりません。
掘削した後は、地面を水平にするために低い場所に盛り土をしたり、掘削したところを埋め戻したりします。
排水作業
掘削して地面を掘り進めていくと地下水が湧き出てきたりします。排水ポンプや排水路を設置することで、適切な排水経路を作り地盤を守ります。
また、掘削工事には、掘削図という図面を使います。
地下躯体工事
地下躯体とは、地下に建物を支える基礎構造を作る作業となっています。基礎部分は建物を支えて力を地盤や杭に伝える部分となっておりこれも非常に重要な工程です。
足場設計
地下躯体は文字通り地下で行う作業なので、地下で作業するための足場などの仮設工事を行います。設置するものとしては、足場の他には足場まで降りる昇降機(エレベータ)や運び込んだ荷物を置くステージなどがあります。
躯体工事
躯体工事に入っていきます。始めに鉄筋コンクリートの骨組みとなる鉄筋を組み立てていきます。鉄筋の骨組みを立てた後はコンクリートを流し込む型枠を作っていきます。コンクリートを流し込むためには新たな作業場所が必要となるので、躯体に沿って新たに打設足場というものを作ります。
最後に型枠にコンクリートを流し込んだら躯体ができます。
解体工事
躯体自体は完成したので、地下躯体としてはやることはないのですが、次の作業に向けて作業で使った足場や型枠を解体して片付ける必要があります。
解体する順番としては、作った順番と逆で「打設足場」→「型枠」→「足場」の順番で解体していきましょう。
まとめ
今回は、工事の流れの中でも着工前の準備から地下躯体工事までの流れを紹介しました。これだけでも相当な工数があったのにも関わらず、まだ地上には何も建造物が建っていない状態です。びっくりですね。
次回の記事で地下躯体工事の後の工程について詳しく紹介していきます!
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