AI画像生成ツールのStable Diffusionには様々なモデルが用意され、各モデルのイメージに合わせたAI画像を生成できます。そこで今回は、Stable Diffusionのモデルの概要と導入方法を紹介します。
Stable Diffusionのモデルとは?
Stable Diffusionのモデルとは画像生成に使用するアルゴリズムのことです。トレーニング済みのモデルはCheckPointと呼ばれることもあります。使用するモデルを変更することで、生成される画像の特徴も大きく変わります。
しかし、自分でStable Diffusionのモデルを作成するとなると、ハイスペックなPCや高度な知識が必要になり、非常に大変です。そこで、公開されたモデルを使用すると、簡単に画像を生成できるようになります。
モデルのダウンロード方法
Stable Diffusionのモデルは以下のサイトからダウンロードできます。
- Hugging Face
- CIVITAI
それぞれのサイトからのダウンロード方法を見てみましょう。
Hugging Faceからダウンロード
Hugging Faceからモデルをダウンロードする手順は以下の通りです。(Hugging Faceのモデル一覧はこちら)
1.Hugging Faceの公式サイトにアクセスする
2.画面上部のメニューから【Models】を選び、左側に表示されたタブから【Text-to-Image】を選択する
3.Stable Diffusionで利用できるモデルが表示される
4.表示されたモデルの中から1つを選び、【Files】をクリックする
5.拡張子(モデル名の末尾)が【ckpt】か【safetensors】となっているファイルをダウンロードする(【safetensors】の方が安全性が高い)
CIVITAIからダウンロード
続いて、CIVITAIからモデルをダウンロードする手順を紹介します。(CIVITAIのリンクはこちら)
1.CIVITAIi公式サイトにアクセスする
2.画面上部メニューから【Models】を選ぶ
3.右上の【Filter】アイコン(丸囲みで「1」と付いている部分)をクリックして、表示されたタブから【Checkpoint】を選択する。
4.表示された中から好きなモデルを選ぶ
5.モデルのバージョンを選ぶ(基本的に最新版でOK)
6.右側の「Download」ボタンからダウンロードする
ダウンロードにおすすめなのは、【SafeTensor(安全性が高い)】と【Pruned Model(動作が軽い)】と表記されたモデルです。
モデルをダウンロードする際はライセンスに注意
モデルのダウンロードページには利用規約や利用条件が記載されています。また、商用利用や著作権についても説明があるので、必ずチェックしてください。
CIVITAIでは、下の方にスクロールして、右側を見てください。ショッピングカードに斜線が入ったアイコンが表示されています。ここをクリックすると、商用利用に関する規則が表示されます。
- 「Use the model without crediting the creator」:モデル利用時のクレジット記載の必要性を示しています。ここが❌の場合、モデルを使用したことがわかるよう記載する必要があります。
- 「Sell images they generate」:商用利用の可否を表します。❌の場合は不可です。
- 「Run on services~」:商用利用目的のサービス上でのモデル利用可否を示しています。❌の場合、他サービス経由でもモデルの利用が禁止されます。
- 「Run on Civitai」:Civitai上でのモデルの利用可否を示しています。
- 「Share merges~」:モデルのマージ利用の可否を示しています。(マージとは他のモデルと統合すること)
- 「Sell this model~」が❌の場合、このモデル自体の販売やこのモデルをマージしたものの販売が禁止されます。
- 「Have different~」が❌の場合、マージして生成したモデルにおいても同じ利用条約を適用する必要があります。
Stable Diffusionへのモデルの組み込み方
Stable Diffusionにモデルを組み込む方法は簡単です。
Stable Diffusion WebUIのインストールフォルダ(解凍したフォルダ)内の【webui】【models】【Stable-diffusion】フォルダーにファイルを保存するだけです。
ファイルを保存したら、Stable Diffusionの再起動を行います。モデルが認識され、画面上部の【Stable Diffusion checkpoint】から選択可能になります。
CheckpointとLoraの違い
Stable Diffusionでは、CheckpointとLoRAという似た役割を持つコンテンツがあります。
checkpointは学習済モデルファイルの本体です。
LoRAは「追加学習ファイル」とも呼ばれcheckpointに対して追加学習を行ったカスタム用ファイルになります。
1つのモデルの本体(checkpoint)に、背景のLoRA、服装のLoRAなど複数のLoRAを適応できます。
Stable Diffusionのおすすめモデル一覧
Stable Diffusionには膨大な数のモデルがあります。その中からいくつかおすすめを紹介します。
実写・リアル系モデルおすすめ
おすすめモデル1.yayoi_mix
若くて可愛らしい女の子のリアル系マージモデルです。目も大きくて、きれいですね。
▼yayoi_mixの基本情報
モデル容量 | 1.99GB |
推奨VAE | なし |
商用利用 | 一部OK |
掲載バージョン | 2023年10月9日 |
製作者 | kotajiro001 |
おすすめモデル2.BRA V6
BRA V6の正式名称は「Beautiful Realistic Asians version6」で、美しいリアルなアジア系女性のモデルになっています。作者はシンガポールの方です。
▼BRA V6の基本情報
モデル容量 | 1.99GB |
推奨VAE | なし |
商用利用 | 一部可能 |
掲載バージョン | 2023年7月9日 |
製作者 | pleasebankai |
おすすめモデル3.CityEdgeMix
美しい女性モデルで、高クオリティに仕上がっています。
やや幼い印象もあります。VAEは不要なので、VAEの設定方法が分からない人にもおすすめです。
▼CityEdgeMixの基本情報
モデル容量 | 1.99GB |
推奨VAE | 不要 |
商用利用 | 不可 |
掲載バージョン | 2023年4月13日 |
製作者 | CityEdge |
アニメ・イラスト系おすすめモデル
おすすめモデル1.blue_pencil
可愛いアニメイラスト画像を生成したい方が利用できるモデルです。ハイクオリティで優れた描写性のある画像ができます。
▼blue_pencilの基本情報
モデル容量 | 1.99GB |
推奨VAE | ClearVAE |
商用利用 | OK |
掲載バージョン | 2023年7月26日 |
製作者 | bluepen5805 |
おすすめモデル2.MeinaUnreal
リアル感のあるアニメモデルです。このほかにも種類がありますが、グラデーションがきれいです。
▼MeinaUnrealの基本情報
モデル容量 | 1.99GB |
推奨VAE | なし |
商用利用 | 一部可能 |
掲載バージョン | 2023年7月8日 |
製作者 | Meina |
おすすめモデル3.SDXL Yamer’s Anime Unstable Illustrator
独特な画風での画像生成が可能なモデルです。最新モデルのSDXL 1.0を利用しています。
他のオススメモデルに比べて容量が非常に大きいので、ダウンロードの際は十分な空き容量を確保しましょう。
▼SDXL Yamer’s Anime Unstable Illustratorの基本情報
モデル容量 | 6.46GB |
推奨VAE | XL_VAE_E7 |
商用利用 | OK |
掲載バージョン | 2023年12月21日 |
製作者 | Yamer |
その他おすすめモデル
Game Icon Institute_mode
このモデルゲームアイコンを生成でいるという特殊なモデルです。
▼Game Icon Institute_modeの基本情報
モデル容量 | 3.97GB |
推奨VAE | なし |
商用利用 | 不可 |
掲載バージョン | 2023年12月20日 |
製作者 | ConceptConnoisseur |
オリジナルモデルも作成可能
CIVITAIやHugging Faceからモデルをダウンロードして、Stable Diffusionに入れる方法のほかに、「マージ」という技術を活用して、自分でオリジナルモデルを作成する方法もあります。
「マージ」は既存の2つのモデルを合成することで新しいモデルを作成する技術です。合成比率は自分で設定できます。
①CIVITAIでマージしたいモデルを2つか3つ用意すする
②Stable Diffusion Web UIを立ち上げて、【Checkpoint Merger】という項目から、マージの各種設定をする
マージによってより自分のイメージに近づけることができるので、ぜひ活用してみてください。
まとめ
今回は、Stable Diffusionで利用できるモデルの紹介をしました。
Stable Diffusionでは素敵な画像を生成できるのですが、1からAIに学習させて取り掛かるのは大変です。ハイスペックなPCも高度な知識も必要です。
そこでおすすめするのがモデルの利用。美しく描写されたモデルを使えば、簡単に画像を生成できるようになります。
ぜひ皆さんも記事の内容を参考にして、モデルを使い、素晴らしい画像を作ってみてください。
執筆者:河津大誠
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。
コメント