近年、AI によるアニメーション作成が注目を集めています。今までアニメーションを作成するというのは知識のない我々一般人には到底無理なことでした。しかしながら、生成AIの活用によってアニメーションを作成するハードルはグッと下がったと感じています。
アニメーションはもちろんアニメなどを作るものでもありますが、プレゼン資料などにアニメーションを掲載することも少なくないのではないでしょうか?AIだけでスライド用のアニメーションが作成できたら、業務効率化になること間違いなしです!
今回はGPT-4を上回る性能と話題のAI「Claude3」を使ってアニメーションを作成する方法をご紹介します!
さらに、manimライブラリを導入して2Dアニメーションだけでなく、3Dアニメーションにも挑戦してみたのでぜひ最後までご覧ください。
目次
1章 「Claude3」の概要
1-1 Claude3とは?
Claude3は、Anthropic社が開発した大規模言語モデルです。自然言語処理や対話生成において優れた性能を示し、GPT-4に匹敵すると言われています。
1-2 Claude3の特徴
Claude3の主な特徴は以下の通りです。
- 他のLLMを上回る性能指標
こちらの画像は、Claude3とOpenAIのChatGPT、GoogleのGeminiの性能を表すテストスコアを比較した表となっています。こちらを見ると、Claude3の最上位モデルCalude3 Opusはすべての項目において他のチャットモデルの性能を上回っていることがわかります。
この時点でClaude3は理論上現在最強のLLMと言えるのです!
- 高い言語理解力と生成力・多言語対応(日本語にも対応)
Claude3はAIチャットモデルの中でも特に言語理解力、生成力が高いと言えます。これは、英語に限らず日本語をはじめとした多言語において高い評価を得ています。
こちらの画像は、Claude3 Opusに観光における日本食の位置付けに関する文章を書いてもらったものです。AIに書いてもらった文章というものは、どこか堅苦しさや不自然さが残ってしまうことが多いのですがこちらの文章はまるで日本人が描いたかのような自然な文章となっています。
これが実現できる多言語での文章生成力はClaude3の強みであると言えるでしょう。
AITechではこれまでにもClaude3について詳しく紹介してきました。興味のある方はぜひこちらの記事もチェックしてみてください!
2章 Claude3でアニメーションを作ってみた
それでは実際にClaude3を使ってアニメーションを作成していきましょう!今回は、電子の矢印が少しずつ位相をずらして回転するアニメーションを作ってみます。
2-1 2Dアニメーションの作成
まずは試しに、2次元の座標上で電子を回転させるアニメーションを作成します。
①Claude3にプロンプトを入力
Claude3に初めは以下のようなプロンプトを入力してみました。
スピントロニクスを説明するためのアニメーションを作って欲しいです。pythonコードを書いてください。
②アニメーションの作成
プロンプトを送信すると、Claude3がアニメーションを作成するコードを記述してくれます。
このようにコメントアウトでそれぞれの部分で何を行なっているかを簡単に説明しながらコードを書いてくれました!実際に作成できた動画以下のようになります。
簡単なプロンプトだけでこのアニメーションを作れるだけで相当すごいことなのですが、筆者がイメージしている動画とは少し異なるのでさらにプロンプトを調整して理想のものに近づけていきたいと思います!
電子の数を5つに増やして、位相をずらして回転させることで伝搬している様子を示すアニメーションに変更して。さらにmanimを使ってください。
プロンプトをこのように変更しました。さらに、グラフ上のアニメーションは見栄えが悪いので、今回はmanimというアニメーションを綺麗に作れるモジュールを使用することにしました。manimのインストールはこちらの公式サイトをご参考ください!
こちらは動画なのですが、静止画のように見えますね。この動画のように2次元アニメーションでは電子が回転している様子が確認できません。そのため、3次元アニメーションで電子を矢印として表すことで所望のアニメーションを作れるのではないかと考えました!
2-2 3Dアニメーションの作成
始めに、先ほどのアニメーションを三次元化してもらいましょう。
3次元で先ほどのアニメーションを作れますか?
割と雑なプロンプトを投げてしまったと思ったのですがきちんと筆者の意図を汲み取った回答をしてくれました。
こちらが、作成された動画となります。こちらの要望通り、立体的な矢印が回転している様子がわかりますね。しかし、回転速度がバラバラとなっているのでこちらを少し修正したいと思います。
電子の矢印の長さをさらに長くして、向きを縦にしてください。さらに、すべての電子の回転のスピードは常に一定でさらに遅いスピードにしてください。この状態を維持しつつ、すべての電子が一つ前の電子とπ/10の位相差を持って回転するように変更してください。
このようなプロンプトを行いました。実際にはこちらのプロンプトが一気に治ることはなく、コードを生成してもらって実行しその都度足りていない要素をプロンプトで補う形となります。
Claude3が完全に意図を汲みきれていない面もあるかと思うのですが、そもそもこちら側のプロンプトの腕も必要になってきます。
どれだけ自分の中のイメージをClaude3に伝わるように文章化できるかという技術が求められますね。
最終的にこちらのようなアニメーションを作ることができました。もう少しカメラワークや回転軸を修正をしたいところではありますが、一応ある程度の形となったのでこの記事ではこちらで完了といたします!
3章 まとめ
今回は、Claude3を使ってアニメーションを作成し、さらにmanimライブラリを導入して3Dアニメーションへと発展させる方法をご紹介しました。
AIを活用することで、プログラミングの知識がなくてもアニメーションを作成できる時代になりました。さらにそのクオリティは想像以上のものと言えるでしょう。
1回のプロンプトで思い通りのアニメーションを作成するのは難しいですがClaude3の言語理解力の高さのおかげもあり、微調整を行うことで自分の所望のアニメーションを作ることができました!
Claude3のようなAIを使いこなすことで、より表現の幅が広がりそうですね!Claude3を使えば、manimで作った2Dアニメーションを3Dに変換することも可能です。今回紹介した方法を応用して、さまざまなアニメーションを作成してみてください。
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。
コメント