ChatGPTに匹敵するAI?Cohereの新LLM「Command R+」coralの日本語での使い方や料金を解説!

今回は、Cohereが新たに発表した大規模言語モデル「Command R+」について、その概要や特徴、使い方、料金体系まで詳しく解説していきます。

Command R+は、高度な検索拡張生成(RAG)とツール使用に特化した主にエンタープライズ向けに設計されているLLMです。先行モデルのCommand Rをベースに開発され、全体的なパフォーマンスが大幅に向上しているのが特徴です。

それでは、Command R+の魅力に迫っていきましょう。

1章 「Command R+」の概要・機能

1-1 Command R+とは

Command R+は、AIスタートアップのCohereが開発した大規模言語モデル(LLM)です。エンタープライズ・アプリケーション向けに設計され、高度な検索拡張生成(RAG)とツールの使用に特化しているのが特徴です。

先行モデルのCommand Rをベースに開発され、全体的なパフォーマンスが大幅に向上。同カテゴリーの他モデルを凌駕し、GPT-4のような高価なモデルにも引けを取らない性能を実現しています。

1-2 RAG(Retrieval-Augmented Generation)について

Command R+の最大の強みは、高度なRAGに最適化されていることです。RAGとは、LLMが外部の知識ベースから関連情報を取得し、回答生成に活用する技術のことを指します。

具体的には、ユーザーからの質問に対し、LLMが自身の知識だけでなく、外部のデータベースやWebページなどから関連情報を検索。それらを引用しながら、より正確で詳細な回答を生成するのがRAGの特徴です。

Command R+は、この RAG 機能に特化して設計されました。大規模な言語データと最新のニューラルネットワーク技術を組み合わせることで、高精度の検索と回答生成を可能にしています。

また、回答に引用元の情報を含めることで、LLM特有の「ハルシネーション」(事実でない情報を回答に含めてしまう現象)を抑制。企業での利用に適した、信頼性の高い応答を実現しています。

RAGについては、こちらの記事でも詳しく解説していますのでぜひご覧ください。

1-3 大容量のコンテキスト・ウィンドウ

Command R+は、128kトークンという大容量のコンテキスト・ウィンドウを備えています。これにより、より長い文脈を理解し、複雑なタスクにも対応できるようになりました。

例えば、長文の文書を要約したり、複雑な手順を説明したりといった、高度な言語処理が必要なシーンでも、Command R+は本領を発揮。先行モデルのCommand Rと同じ容量ですが、処理能力は大きく進化しています。

コンテキストウィンドウの大きさと性能の関係については、Geminiの記事でも紹介しています!

1-4 10の主要ビジネス言語に対応

グローバルなビジネス展開をサポートするため、Command R+は以下の10言語に対応しています。

  • 英語
  • フランス語
  • スペイン語
  • イタリア語
  • ドイツ語
  • ポルトガル語
  • 日本語
  • 韓国語
  • アラビア語
  • 中国語

多言語対応により、世界中の企業がCommand R+をより使いやすく活用できるようになりました。

2章 「Command R+」の使い方・始め方

2-1 Command R+の始め方

早速、Commnad R+を使う準備をしていきましょう!

①公式サイトにアクセス

Cohereの公式サイトの画像

画像出典 Cohere

画面右上青枠で囲まれた「TRY NOW」をクリックして次のページに進みましょう!

②アカウントの作成

アカウント連携の画像

画像出典 Cohere

Googleアカウント・GIthubアカウントまたは、Eメールアドレスからアカウント登録ができます!

名前を設定する画面

画像出典 cohere

上の画像のように名前の設定や、自分の職業・利用用途などを登録するアンケートが3問あるのでこちらに答えましょう!

command Rのホーム画面

画像出典 Cohere

アンケートの回答に完了すれば上の画像のようにホーム画面に移動します!これにて、準備は完了です!

2-2 Command R+の使い方

早速、Commnad R+を使っていきましょう!

Command R+の操作画面に移動する場所を示した画像

画像出典 Cohere

ホーム画面から青枠で囲んである「Try Command R+」をクリックしましょう。

cohereの操作画面左側がチャットで右側がcoralを使うことができる。

画像出典 Cohere

操作画面が上の画像のようになっています。青枠で囲まれた画面左側の部分がチャット、赤枠で囲まれた部分がチャットを打ち込む場所となっています。

チャット

こちらは純粋なチャット機能となっています。ChatGPTやClaudeを使うようにLLMとして使うことができます。

試しに、

生成AIの仕事での活用方法を教えて

というプロンプトを日本語で行いました。

「生成AIの仕事での活用方法を教えて」というプロンプトに対する回答

画像出典 Cohere

回答は上の画像のようになりました。かなりシンプルなプロンプトの割にしっかりと返答してくれています。内容としては、かなり精度が高いのではないでしょうか。しかしながら、いくつか言葉の順番がバラバラになっている部分も見受けられます。

日本語にも対応しているとのことでしたが、ClaudeやCHatGPTと比べるともう少し改善が必要ですね。

coralチャット

Command R+の目玉機能の一つが「Coral」です。CoralはWeb検索機能を備えたAIチャットインターフェースで、ユーザーの質問に対して適切なWebページを検索し、引用付きで回答を生成します。ファイルのアップロードによって情報を与えることもでき、こちらはRAGを使った怪盗ということになります。

ドル円の為替レートを質問した画像

画像出典 Cohere

試しに、アメリカドルと日本円の為替レートという日々変化していくものに対して質問をすると、上の画像のように回答が返ってきました。

この質問をしたのは4月10日でしたので、少し前の情報を取ってきているのでしょうか?

ファイルをダウンロードする場所を示している

画像出典 Cohere

また、画面右上の「GROUNDING」から、ファイルをアップロードすることができます。

コードを読み込ませたところ実行時間を正しく答えている

画像出典 Cohere

今回は試しにシミュレーションを行うGo言語で書かれたコードを読み込ませました。「コードをしっかりと読み込めているか」「コードを理解しているか」を確かめるために、このようにシミュレーションの実行時間を質問したところ見事正解しました

他にもいくつか試してみましたが、Coralはかなり高い精度でRAGを行えているように感じました!

    2-3  cohereのAPI

    Command R+の機能は、APIを通じて自社サービスに組み込むことも可能です。

    画像出典 Cohere

    こちらのようにトライアルAPIキーが無料で使えることができるので気になる方はぜひ使ってみてください!

    3章 「Command R+」の料金・商用利用

    3-1 Cohere Command R+は無料で使える?

    結論から申し上げますと、Cohere Command R+は無料で使うことができます!こちらは現在プロトタイピングの期間となっているためなようで、本番環境が公開されると一部機能が有料となる可能性があるので公式サイトで最新の情報を確認しましょう!

    API料金

    画像出典 Cohere

    また、Command R+の料金は、APIの利用量に応じて発生します。100万トークンのインプットとアウトプットのコストは、それぞれ3ドルと15ドルに設定されています。

    この価格は、同カテゴリーのモデルと比較しても競争力があります。例えば、Claude 3 Sonnetと同等の価格設定となっています。

    エンべディングモデルの料金

    画像出典 Cohere

    このようにエンべディングモデルやファインチューニングモデルも従量課金制で使うことができます!

    4章 まとめ

    今回は、Cohereの新しいLLM「Command R+」について、その概要や特徴、使い方、料金体系まで詳しく解説しました。

    高度なRAGとツール使用に特化し、10の主要言語に対応するCommand R+は、エンタープライズ向けに設計された次世代のLLMと言えるでしょう。大容量のコンテキスト・ウィンドウにより、複雑なタスクにも対応可能です。

    Coralによる対話的な情報検索や、APIを使った自社サービスへの組み込みなど、様々な場面での活躍が期待されます。料金体系も同カテゴリーのモデルと比較して競争力があり、商用利用も可能です。

    CohereはAccentureとの提携に続き、Command R+の発表でエンタープライズAI分野での存在感を高めています。企業におけるAIの活用が加速する中、Command R+は大きな武器になるはずです。

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