みなさんはAIチャットツールのChatGPTを利用していますか。
必ずしも正しい回答をしてくれるわけではないので、利用には注意が必要ですが、それでも簡単な調べ物をしてくれたり、簡単な文章を作ってくれる便利なツールですよね。
今回はそんなChatGPTをローカルで使う(インターネット接続なしで利用する)ことができるツールである『GPT4ALL』について解説していきます。
目次
第1章 ChatGPTのローカル利用
ChatGPTはOpenAI社が提供するAIチャットツールですが、利用するにはインターネット接続環境が必要となります。
また、『ChatGPT Advanced Data Analysis(旧Code interpreter)』やプラグインでは入力したデータがトレーニングに使われてしまうことを防げないため、機密情報などを使用することはできません。
そのため、ChatGPTをローカルで利用できないかと検討されている方もいるかと思います。
結論から申し上げると、ChatGPTをローカルで使用することはできません。
これはOpenAI社のポリシーと、API設定によるもので、現状ローカル環境にChatGPTを構築することはできません。
そこで今回は、代替となる『Nomic AI』が開発したチャットAIである『GPT4ALL』を紹介します。
第2章 ローカルChatGPT『GPT4ALL』とは
『GPT4ALL』は『Nomic AI社』が開発したチャットAIですが、様々なモデルを一つの
ChatGPTとの違いはローカルで利用できる点にあります。
『GPT4ALL』の特徴
『GPT4ALL』の特徴は以下の4つになります
①ローカルで利用できる
通常、チャットAIの多くはインターネット接続環境が必須ですが『GPT4ALL』はインターネット接続ができない状況でも利用可能です。
②軽量である
通常のLLMをローカルで使用する場合には、高性能なGPUを搭載したPCが必要ですが、GPT4ALLは通常のCPUしか搭載していないモバイルPCでも動作することが可能なほど軽量なのが特徴です。
③無料で利用できる
『GPT4ALL』は無料で利用できます。
ただしモデルによってはAPI keyを要求されるため、『GPT4ALL』ではなく、OpenAIなどのLLM開発元に料金を払う必要があるものもあります。(詳しくは後述)
④入力内容の情報の保護が可能
会話履歴はローカル内部に保持されるため、情報が外部に漏洩したり、開発元に流れる心配はかなり減るでしょう。
⑤複数のモデルを利用できる
『GPT4ALL』ではChatGPTに留まらず、様々なLLMモデルを使用することができます。
様々なモデルを比較しつつ、使用用途に合った最適なものを選びましょう。
ただし、商用利用が可能なものと禁止されているものがあるので、商用利用をする場合には使用するモデルが商用利用を許可されているか確認する必要があります。(詳しくは第5章で紹介しています。)
注意点としては、英語にしか対応していないため、私のように英語が苦手な方は、翻訳ツールを使用しながらの利用になります。
第3章 『GPT4ALL』の始め方
ではChatGPTをローカル環境で利用できる『GPT4ALL』をどのように始めれば良いのかを紹介します。
1.GPT4ALLのサイトにアクセスし、使用しているOSに応じたインストーラーをダウンロードします。筆者はMacを使用しているので、OSX用のインストーラーを使用します。(リンク)
2.ダウンロードしたdmgファイルをクリックします。
3.インストーラーを起動します。
4.警告が表示されますが、「開く」をクリックします。
5.設定ウィザードが開始されますので、「次へ」をクリックします。
6.インストール先のフォルダを選択し、「次へ」をクリックします。
7.コンポーネントの選択画面が表示されます。今回は「gpt4all」が選択されているので、そのまま「次へ」をクリックします。
8.使用許諾が表示されます。最後まで読んで、問題なければ「使用許諾に同意します。」にチェックをいれ、「次へ」をクリックします。
9.インストールの準備ができたので、「インストール」をクリックします。
10.インストールが開始されます。筆者環境では5分ほどでインストールが完了しました。
11.インストールが完了したら、「完了」をクリックします。
12.インストールが無事に完了していれば、インストール先として指定した場所に、「gpt4all」というフォルダが作成されているかと思いますので、配下の「bin」内の「gpt4all」を起動します。
13.起動すると、学習モデルの選択画面が表示されます。商用利用不可なものもありますので、利用用途に適した学習モデルを選択して「Download」してください。筆者は商用利用可能な「GPT4ALL Falcon」をダウンロードしました。
14.筆者の場合は4GB程度でしたので、10分程度かかりました。
15.ダウンロードが完了しました。
これでGPT4ALLの始め方は以上です。
次に詳しい使用方法を紹介していきます。
第4章 GPT4ALLの使い方
UIはChatGPTに似ているため、使い方は簡単です。
ChatGPT同様に画面下部の「send message」に聞きたいことや、やってほしいことを入力します。
前述の通り、英語のみに対応しているため、英語で入力します。
※正確には日本語で入力することも可能ですが、回答は英語で返ってきます。
試しに『GPT4ALL』について聞いてみました。
簡単な説明文と、ご丁寧にPytonでの使い方についても出力してくれているので、コード作成などにも使えそうです。
ただし、『GPT4ALL』自体でなく、GPT4について回答してしまっていますね。
試しに日本語で同じことを聞いてみたところ、日本語でも対応はしてくれるものの、回答は英語で返ってきました。
回答内容も全く同じでした。
使用上の注意点
『GPT4ALL』で使用できるモデルの中にはChatGPT3.5とChatGPT4が含まれています。
これらは実際にChatGPTで使用されているモデルなのですが、利用するにはAPI keyが必要となります。
そのため利用する上でOpenAIのAPIの使用料金がかかってしまいます。
第五章 まとめ
本記事ではChatGPTはローカルでも使えるのか、ローカルでもつかえるAIチャットツール「GPT4ALL」の始め方・使い方を解説させていただきました。
ChatGPTは便利なツールですが、機密情報や個人情報などを学習に使用されてしまうという難点があります。
その点、GPT4ALLはローカルで使用することができ、チャット情報はサービス側に共有されません。
Macのようなノートパソコンでも使用することが可能な軽量さが売りのため、回答の精度などはChatGPTには劣るかもしれませんが、ローカル利用できることは大きなメリットになると思います。
日本語未対応、商用利用できない学習モデルもあるといった、課題はありますが、ChatGPTのローカル利用を検討されている方は、一度「GPT4ALL」の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
執筆者:河津大誠
この記事は役に立ちましたか?
もし参考になりましたら、下記のボタンで教えてください。
コメント