「Claude2.1」はChatGPTを開発したOpenAIにいたメンバーが設立したAnthropic(アンソロピック)社が開発した最新の会話型生成AIです。
「Claude2.1」の最大の利点は無料で利用できることと、ファイルの読み込みが可能なことです。
「Claude2」が2023年7月11日にリリースされ、さらに11月に「Claude2.1」へとアップデートされ、ChatGPTをしのぐ性能の良さと話題になっています。
筆者も無料で使用する上ではChatGPTより良いと感じています。
さらに、日本語での使用が解禁されたことでさらに使い勝手が良くなりました!
2021年に開発されたClaudeを元に作られたClaude2.1はどのような点に特徴があるのか、他のLLMとの違いなどについてご紹介いたします。
第1章 Claude2.1の概要
1-1 Claude2.1の強み
Claude2.1はClaude2の言語処理能力を向上させた最新のLLM(大規模言語モデル)で、コーティング支援機能も充実しています。
Constructional AIが搭載されていて、ブランドリスクを軽減させ、データの保持機能を強化しています。
文章作成も、会話をしているように自分に合わせてAIが機能します。
他にも優れた点としては、
- ファイルの読み込みが可能
- 複雑な推論が可能
- コーディングに優れている。
- 情報が2023年まで学習しており、ChatGPTより(2022年4月)よりも新しい情報も学習済
- 読み込めるトークン数が200,000トークン(約150,000語)とChatGPTの10倍以上
などです。
特にファイルの読み込みが無料で可能なLLMは少なく、それだけでClaude2.1を利用する価値があると言えます。
1-2 日本語利用について
日本語での利用は可能です!
例えば以下のようにファイルを読み込ませて日本語で内容を聞いたところ正しい回答を得られました。
LLMは基本的に英語のみの対応である場合や、日本語だと極端に性能が下がることが多いですが、Claude2.1は日本語に十分対応している点も強みであると言えるでしょう。
1-3 Claude2.1とClaude2の比較
Anthropic(アンソロピック)社によってClaude2.1の性能を示すいくつかの指標が公開されています(情報元)
そちらの指標に基づいてClaude2.1が以前のモデルであるClaude2より優れている点を紹介します。
①ハルシネーションの減少
Claude 2.1は、以前のClaude 2.0モデルと比較して虚偽の発言(ハルシネーション)が 2 倍減少したようです。
またわからない質問に対しては嘘をつくのではなく、正直にわからないことを伝えるように修正されました。
②複雑な文章の回答精度上昇
Claude2.1では、法的文書、財務報告書、技術仕様書など、高度な正確性が要求される長く複雑な文書の理解と要約においてClaude2に比べて大幅な改善が見られました。
Claude 2.1 は不正解が 30% 減少し、文書が特定の主張を支持していると誤って結論付ける割合が 3 ~ 4 分の1に低下したとのことです。
③入力上限文字数の上昇
Claude2.1はClaude2のさらに2倍となる20万トークン(約15万文字)の入力が一度に可能となりました。
上記の複雑な文章の理解力向上とあわせて使用の幅が増えたと言えるでしょう。
④外部APIの利用
Claude2.1では外部のAPIを利用して回答に応用することができます。具体的には以下のようなことが可能です。
- 複雑な数値推論に電卓を使用する
- 自然言語リクエスト(日本語での要求)を構造化された API 呼び出しに変換する
- データベースを検索するか、Web 検索 API を使用して質問に回答する
- プライベート API を介してソフトウェアで簡単なアクションを実行する
以上のようにClaude2ではClaude2.1と比較して様々な点で改善が見られています。
1-4 Claude2.1のその他のサービス
Claude2.1は新たに「Amazon Bedrock」 でアマゾンウェブサービスのユーザーに、生成AIアプリを構築するための基盤モデルやツールへの安全なクラウドアクセスを提供するサービスを一般提供しています。
「Amazon Bedrock」の詳細はこちらを参照ください。
第2章 Claude2.1の導入方法と使い方
2-1 Claude2.1の始め方
Claude 2.1を始めるには、直接Claude2.1と利用する方法と、別サービス上で使用する方法があります。
それぞれ方法を簡単に説明します。
①直接Claude2.1を利用する
(1) Claude2.1のホームページにアクセスします。(リンク)
(2)『Talk to Claude』をクリック
(3)『Full name』の欄に名前を入力
(4)電話番号を入力
(5)Claude2との会話を開始する
ここまでで導入は完了です!メッセージ欄に質問を入力して会話を始めましょう!
②Poe(ポー)を利用する
次にPoeというプラットフォーム上で利用する方法を紹介します。ただし、一つ前のバージョンであるClaude2までしかまだ開放されていません。
Poe(ポー)とは「Platform for Open Exploration(開かれた探求に向けたプラットフォーム)」を意味しています。
Q&A投稿サイトを運営するQuora(クオーラ)が開発した、複数のAIチャットボットと一箇所で会話できるAIサービスです。
ここから始める場合は
(1)Poeの公式サイトにアクセスします。(リンク)
(2)Claude2を選択して利用開始
Poe上ではClaude2に限らず、ChatGPTやGoogle-PaLMなど様々なLLMを利用することが可能です。(Poeについて詳しくはこちら)
ただClaude2は1日に30回までという利用上限があります。
③Slackを利用する
SlackからでもClaude2を利用することは可能です。(リンク)
Claude2を使用できる環境にできたら、その後Claude2の画面が表示され、プロンプト欄に会話した内容など任意のプロンプトを入力して実行することで利用できます。
2-2 Claude2.1の使い方
では、実際にClaude2.1を利用する際の実用例を幾つか紹介します。
文章の要約
まずは、LLMでよく使用される文章の要約と校正を指示してみます。
具体的には、『AITechについて』の文章の要約を頼みます。
以上のように正確に要約及び構成を行なってくれました!
PDFの入力
文章だけでなく、PDFをアップロードし、その内容について指示することも可能です。
ChatGPTのAPIに関するPDFを読み込ませてみました。
こちらも問題なく要約されています。
ChatGPTでは有料プランに加入しないと使用できないファイルの読み込み機能が無料で使用できる点は非常に大きな強みと言えるでしょう。
プログラミングコードの出力
Claude2.1はコーティングに優れているため、Pythonなどのコードを生成することができます。
コードが必要な作業を入力をすれば、すばやくコードを生成してくれます。
上記のように簡単なコードを生成してくれました。
APIコードについても以下のように回答してくれます。
第3章 Claude2.1の料金と注意点
Claude2.1の料金
無料版と有料版があります。
有料版はClaude2Proと呼ばれ、料金はアメリカ $20 / 月 イギリス 18ポンド / 月です。
有料版の利点は以下の3つです。
- 利用上限が無料版の約5倍に
- アクセス集中時の優先利用
- 新機能への早期アクセスが可能
基本機能は無料で使用できるため個人で利用するのであれば無料で使える機能で十分だと思います。
Claude2.1の注意点
Claude2.1の使用上の注意点に関してはClaude2.1の導入時にいくつか公式より提示されています。
まずはClaude2.1はまだ不完全な点が存在し、不正確な情報や攻撃的なコンテンツの生成の可能性がある点に注意してください
また、利用者側も暴力的なコンテンツの生成は禁止されています。
またAnthropic社のプライバシーポリシーでは、個人データを収集すると記されています。
例えば、プロンプトに個人データを含めた場合、その情報を収集し、この情報は出力に複製される場合があるとしています。
ただしプロンプトと出力をAnthropic社独自の目的で使用する場合には、匿名化するための措置を講じるとはされています。
第4章 まとめ
ChatGPTと比較されるClaude2.1ですが、ファイルの読み込みが可能であることや、無料で利用可能なことなど幾つか上回る点があることがお分かりいただけたかと思います。
日本語での利用も可能であり、実用的に使用できるLLMであると言えるでしょう。
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