この記事では、ZoomやGoogle meetの会話を録音し、その会議内容を文字起こしし、内容の要約など様々な機能を使って今まで以上に会議を有効活用できるようになるAIツール『tl;dv』について使い方や料金、議事録をChatGPTと組み合わせて制作する方法までを紹介します。『tl;dv』は『too long don’t view』の略のようです。
『tl;dv』を使えば、もう会議の議事録を手動で取る必要もなくなります
目次
第1章『tl;dv』の機能
『tl;dv』は会議を効率的に収録し、まとめる為に役立つ機能を数多く備えています。
それらの機能を一つずつ紹介していきます。
①会議の録画
会議を始めると同時に『tl;dv』の機能によって録画を開始することが出来ます。
②文字起こし
『tl;dv』を使えば、録画した動画を選択して、会議での全員の発言内容を文字起こししてくれます。発言のメモを取る必要は無くなりますし、よりまとまった文章にしたければコピペしてChatGPTに誤字脱字の修正などを頼むと良いでしょう。日本語にも対応しています。(ただし、文字起こしされた文章のコピペは有料の機能となっています。)
③会議内容のキーワード検索
文字起こしされた文章に対してキーワード検索をかけることが出来ます。また、キーワードを選んで該当部分に印をつけることで、該当部分の動画内での時間を記録したり、文章をドラッグして選ぶことでその部分の動画を切り抜くことも可能です。
『create clip』を押して切り抜き動画が作成できます。
④共有
ワンクリックで動画内容を共有することが出来ます。リンクをそのまま送信するか、Slackなどと連携して送信するか選択できます。
⑤翻訳
文字起こしされた文章を翻訳することが出来ます。20言語以上対応しています。
⑥要約
AIが会議の内容を時間ごとに要約してくれます。それぞれの要約にタイムスタンプが付随しており、そちらをクリックすることで、その時点の動画に飛ぶこともできます。(現在はGoogle meetのみで利用可能な機能です。)
下の画像はある動画が要約された結果になります。
⑦タイムスタンプ付きリアルタイムメモの書き込み
会議の参加者が、会議中に『tl;dv』によって生成される文章に対してリアルタイムメモを書き込むが可能です。このメモにはタイムスタンプが付随しているため、会議後にメモをクリックすることで、該当の時間から録画を再生することが可能になります。
⑧自動タグ付け
録画された動画に対してAIが自動でタグ付けを行います。
動画を共有する際にタグを参照することで内容が伝わりやすくなります。
⑨要約・ハイライト動画の生成
録画された動画を切り抜いてクリップ動画を生成することができます。タイムスタンプや文字起こしした要約をもとに、クリップ動画を作りましょう。
また、クリップ動画を繋ぎ合わせてハイライト動画を作り出すことも可能です。
このように『tl;dv』には会議に関する多様な機能が備わっています。これらの機能をうまく活用することで、議事録等の面倒な作業を非常に短時間で終わらせることが可能になり、大幅な業務効率化に繋げることができるでしょう。
第2章 『tl;dv』の使い方
導入方法と始め方
まず、『tl;dv』をインストールし、zoomやGoogle meet上で利用できるようにする方法を解説します。
①『tl;dv』の公式サイトにアクセスする(リンクはこちら)
②右上の『Google meetで使う』もしくは『Zoomで使う』を選択
③Google meetであればGoogle Chromeの拡張機能を、Zoomであればアプリをインストールする
④Googleアカウントでサインインする
⑤言語と職業を入力する(自分はGoogle meetの使用時のみ要求されました)
⑥設定から『tl;dv』によるコンピューターの制御を許可する
上の画像が表示されたら、おそらく設定が完了していないので、
macであれば『システム設定』→『プライバシーとセキュリティ』→『アクセシビリティ』の順に選択して『tl;dv』を許可しましょう。
windowsの場合は『click here to see it again』をクリックして説明に従ってください。
⑦導入完了
ここまで完了すれば、『Google meet』もしくは『Zoom』に『tl;dv』の機能が追加されます。実際に録画を開始して使ってみましょう!
『tl;dv』の実際の使い方
『tl;dv』を実際の使い方を説明します。ツールとしてはZoomを使用しています。
①ZoomまたはGoogle meetを開いてミーティングを開始する
Zoomのインストールはこちら(リンク)
リンク先を開き、ログインまたはサインアップしてミーティング画面に移行します。
この際に『tl;dv』にログインしたGoogleアカウントでZoomにログインすると、動画の保存等がスムーズになります。
Zoomの管理画面から右上の『ホスト』をクリックしてミーティングを起動します。
また、ゲストとして参加する場合でも『tl;dv』の機能は利用可能です。
②『tl;dv』をミーティングに参加させ、録音・文字起こしを開始する
ミーティングを開始すると左下に『Record&highlight』という『tl;dv』のボタンが表示されます。
こちらをクリックすることで『tl;dv』がミーティングに新規参加者として参加してきます。
許可すると、画面左下にチャット画面が表示され、『tl;dv』による録音と文字起こしが開始されます。
また、タイムスタンプ機能などをリアルタイムで利用できるようになります。
③実際に会議を行い内容を『tl;dv』に録音させる
今回は実際に、この『tl;dv』に関する記事の前半部分を読み上げるという形で使用してみました。
④録音を停止し、作成された議事録を確認する
録音の終了は停止ボタンをクリックすることで可能です。『tl;dv』を開くとそれまでの記録内容を確認することができます。
管理画面に録音した動画が追加されています。
開くと、文字起こし本文を確認できます。誤字脱字はありますが、この記事の前半部分が文字起こしされているのが確認できます。
今回は一人で話しているので会話形式ではありませんが、会話の場合は人物の区別もしてくれます。また、画面左側に簡単な要約がついています。
この段階で文字起こしは完了です。このまま議事録として使用しても良いですが、誤字が気になる方は次の方法を参考にしてみてください。
ChatGPTとの組み合わせでで議事録生成
実は『tl;dv』は単体で使用するよりも、ChatGPTと組み合わせることでより実用的なツールとなります。
先ほどの文字起こしでは誤字が多発していました。その点をChatGPTに修正してもらいます。
PROMPT『tl;dvによって文字起こしされた文章』 以上は(会議の内容)に関する議事録です。誤字が目立ちますので、違和感のない文章となるよう校正してください。
このようにChatGPTに校正させることで本当に実用的に使える議事録に仕上がりました。
会議が非常に長く一度に校正できない場合などは、一度GoogleドキュメントやWordファイルにして、ChatGPTの『Cord Interpreter』機能に読み込ませることで対応可能です。
また、非常に長い文章の場合は、一度にChatGPTに入力することは不可能です。(入力は最大4096トークン)
そのため次の方法を用いましょう。
非常に長い文章の議事録作成
動画が30分を超えるような場合は『tl;dv』による文字起こし文を一括で入力することは困難になります。
その場合はまず、ChatGPT Advanced Data Analysis(旧Code interpreter)機能を活用しましょう。
ChatGPT Advanced Data Analysis(旧Code interpreter)機能では、ファイルをChatGPTに読み込ませることが可能となります。
そこで『tl;dv』による文字起こし文をWordファイルやGoogleドキュメントにコピペし、ChatGPTにアップロードしましょう。
その上で、以下のプロンプトを用いて、議事録を作成しましょう。
PROMPTアップロードしたドキュメント内の文章に対して誤字脱字の校正を行なってください
実際に画像のように校正後のドキュメントが返ってきます。
この方法によって長い動画であっても『tl;dv』とChatGPTの組み合わせですぐに議事録を作成することが可能です。
ChatGPT Advanced Data Analysis(旧Code interpreter)について詳しくはこちらの記事をご覧ください。
皆さんもぜひ、実際に使用する際はChatGPTに構成させるステップも組み込んでみてください。
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第3章 料金とセキュリティーについて
tl;dvの料金プラン
料金プランとしては無料プラン、個人向け有料プラン、企業向け有料プランの3つがあります。
今回はそのうち個人向け有料プランと無料プランを表を用いて比較します。有料プランは月額20ドルです。
項目 | 無料プラン | 有料プラン |
録画機能 | ○ | ○ |
文字起こし | ○(コピーは×) | ○(コピーも○) |
録音のダウンロード | × | ○ |
メールによる共有 | × | ○ |
SalesforceとHubspotとの連携 | × | ○ |
という違いになります、上記以外にも様々な違いがあるので詳しくは公式サイトを参照してください(リンクはこちら)
また、録画して一定期間経過したアーカイブ動画を視聴する場合無料プランだと70分待つことが要求されます。
有料プランであっても要約が出力される長さは80分までとなっています。
また、『Salesforce』と『Hubspot』との連携は有料にはなりますが、『Google Calender』『Google Meet』『Zoom』『Slack』との連携は無料版でも可能です。
『Slack』などと連携すると、ワンクリックでの録画や切り抜き動画の共有が可能となります。
プライバシー保護(セキュリティ)について
『tl;dv』をビジネス活用する上で重要となるであろうセキュリティと安全性について解説します。
まず、『tl;dv』はヨーロッパが定める個人情報保護に関する規約である「GDPR(General Data Protection Regulation)」に準拠しているようです。
また、『tl;dv』のデータセンターはGoogle Cloud PlatformとAWSの施設にあります。これらのデータセンターはISO 27001、PCI DSS サービス プロバイダーレベル 1、および/またはSOC1および2準拠として認定されているようです。
また、『tl;dv』への全ての接続はSSLを用いて暗号化されており、HTTP経由で接続しようとするとHTTPSにリダイレクトされます。通信の安全性は高いようです。
上記のように、 『tl;dv』は本社が個人情報保護に敏感なヨーロッパにあるだけあって、かなりセキュリティに力を入れているようです。詳細は公式ページをご確認ください。(リンク)
また、『tl;dv』が私たちの個人情報をどのように利用するのかについてですが、こちらはプライバシーポリシー(リンク)にて詳しい記載があります。
基本的には録画データなどをtl;dvが確認することはないとされています。ただし、サービスの継続や向上のために一部の個人情報を利用するとのことなので、絶対に外部に漏れてはいけない会議などで使用する場合は、tl;dvを利用するか否かを慎重に検討する必要がありそうです。
第4章 まとめ
『tl;dv(Too Long; Didn’t View)』は、情報共有を効率化し、リモートワークの円滑化に役立つサービスです。このサービスは、会議やミーティング中の重要な瞬間を簡単にまとめることができ、AIが会話を要約してくれるため、参加者は会話に集中することができます。
また、tl;dvを使ってクリップを編集したり、翻訳したり、タイムスタンプをつけたりすることもできます。文字起こしもしてくれることから議事録を取る必要もなくなります。
日常的にオンライン会議を行う方は是非使ってみてください!大幅に業務を効率化できることと思います。
執筆者;河津大誠
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